学校・病院・コンビニなどで一度は見たことあるはず。
この天井材について。
こちら通称、ジプトーンと呼ばれています。
吉野石膏の石膏ボードの国内シェアは8割程で、
歴史も長いので化粧石膏ボードと言えばジプトーンという認識なのですね!
実際、現場で話を聞くとほとんどの方がジプトーンと呼んでいました。
絆創膏で言う、
「カットバン」「バンドエイド」「リバテープ」のようなものですね!
これについて当業界以外から聞こえてくる意見は、
「ひじきみたい」「虫みたい」「気持ち悪い」
「天井に虫がいる!動いてる!」※老人ホームにて
という、悪いイメージを聞きます。
良いイメージを聞かないのは、
入院や老人ホームへの入居など施設で寝転ぶ機会が無いと
天井を意識しないからかな?
それでは、なぜこの「ジプトーン」が多く使われているのか?
解説していきます。
ジプトーンを使うメリット
圧倒的安さ
ジプトーンって、安いんです。
では何が安いか?
下地材と仕上材を一体化!
化粧石膏ボードを使わない場合、大体は図のように
①プラスターボード
②(パテ)※ボードを固定するビスやつなぎ目の凹凸を埋めて、平らにする詰め物みたいなもの
③ビニールクロス
で構成されます。
壁も同じで、
プラスターボードを張る
→パテを塗る(凹凸を埋める)
→クロスを貼るよ!
この3つの材料が、ジプトーンなら1つでOK!
ジプトーンは、石膏ボードに化粧を施したことで表に出せるようにして、
大ヒットしたということですね!
手間賃削減!
上記でお話しした通り、3つの材料がいらないです。
つまり、3段階ある作業が1段階でいいということ!
しかも、パテは乾かす時間が必要なので、
使わなければ工期(※工事する期間)を短縮することもできます!
当然、作業が減り工期を短縮すれば職人に渡すお金は減りますよね。(人件費、材料費などなど)
ジプトーンにすることで、施主はかなり節約できるということです。
耐火性、断熱性が高い
石膏ボードの特性として、高い耐火性能があります。
材料である”二水石膏”は重量の約21%は結晶水です。
通常は発散することはありませんが、加熱されると”焼石膏”と”水蒸気”に熱分解します。
結晶水のすべてを放出するまで一定温度以上に上昇せず、延焼を防ぐことができます。
煙や有害ガスも発生しないので避難時の妨げにならないのもポイント。
石膏ボードが火事に耐えられる時間は、
厚さ12.5㎜ 1枚:15分
厚さ12.5㎜ 4枚:60分
と言われています!
※シリーズや厚さによって効果の差があります。
断熱性
石膏は熱伝導率が低いため、冷暖房の効率を高めます。
あの模様は何?
「トラバーチン」という大理石のイメージ。
たしかに似ています。
この模様をつくることで、こんなメリットがあります。
- ビスが見えにくい
- 吸音性が高まる
右の画像にビスが映っているのがわかりますか?
真っ白の天井よりは目立たないと思います。
ビスを隠す手間も減り、傷などが付いてもあまり目立たない。
コストカットにぴったりです!
筆者の思い
病院や老人ホームの部屋など、寝ころぶことが分かっている天井にはトラバーチン模様以外のデザインや、
クロスを貼る方法を取ってほしいと思います。
特に高齢者や薬の副作用によっては、
幻視を助長させているのではないかと看護師の友人から聞きました。
少しでも快適に過ごせる空間だと、利用者としては嬉しいですね!
似たところで照明の問題もあります。
寝ころぶところでダウンライト!?まぶしい!なんてことも。
(元照明設計の端くれとして、信じられんです)
照明については投稿次第リンクを追記いたします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。